何かに似てると思ったら…出産だった!

先日ついにデビューしました。YOGAのその先の一つ→ART活動のご報告です。

迷わず行けよ、行けばわかるサ

そもそも、ワタクシはJAZZ好きでして、映画「Whiplash(邦題:セッション;あまりいい邦題ではない)」の影響をモロに受け、JAZZドラムが叩きたくなって2018年よりドラマーの道を歩んでおりました。今も、気持ちの上で続いてはいるのですが何せ長い、長ーい道のりです。何をどうやればいいのか、、、先生も「フィル(曲の間に入れるドラムの変則リズム。目立つやつ)はなんだっていいんだよ。好きなリズムを盗んで叩く!」と言われます。むむぅ、これは習うもんじゃないんだな、、、ということがこの数年でわかりました。

それでもJAZZに食らいつきたいワタクシは、ヨガで呼吸法をやってるのだから呼吸を感じるナニカ吹くものを!というわけでサックスに目を付けたのです。中古のアルトサックスを購入しましたが、稲刈り、脱穀、冬は冬で他にもやることいっぱいで、しばらくはケースを眺めるだけの日々でした。それが今年の立春を過ぎた頃、なんだかムクムクとサックスウェーブが突然巻き起こってきたのです!!!

肚を決めたからには

やるのみ、であります。実践あるのみ。吹いて吹いて、家だとウルサイと怒られるので、車内で吹く。公園駐車場で吹く。堤防下りたところで吹く。高音低音、半音、運指、時間を見つけては吹きました。吹き方が悪いのか、酸欠寸前になりました。車内で吹く姿勢が悪く、変な所に力を入れ過ぎて膝を痛めました。(痛めてもそれを丸ごと感じるヨガで治りました。)レッスンは週イチで通いました。そうして、シドレミファソラシドレミファソラシドレ、くらいの時にSwing Band TAKETOYOさんにメールを送り、見学を申し込みました。こうして書くと、ちょっと恐ろしい。でも、やっちまいました。見学は本当に見学で、バンドの大先輩から「間違えてもいいから吹きなよ!」と言ってくださいましたが、全く、一音も吹けずに終わりました。楽譜も全く追えませんでした。それでも生の音、リズムはすごい迫力で心震えました。それから約1ヶ月後、芝生フェスティバルという屋外のイベントでなんとなんと、サックスデビュー。その時に思ったのです。これは出産だ、と

あの、ごめんちょっと待ってくれる?

あ、それ、もう一回お願いできる?  

そういう”私”のどうでもいい(でも切実な)都合など一切お構いなし。始まったら終わりまで一気に走り抜ける感じ。”我”など邪魔なだけ。怖かろうが不安だろうがもう流れに身を任せるしかない。ままよ、行けばわかるさ、とゆくしかない世界・・・出産はその中でも一番身体的、肉感的、内臓的だな、と思ったのです。楽器の演奏にも、それを感じました。楽器にいい感じに唇を当てホールドし、身体の内側から出る息が楽器を通ることで、音になるんですから。そして始まったら、あとはノっていくだけ。揺れていくだけ・・・。あらこれって、人生そのものかもしれない。始まったら終わりまで、ノンストップ。一秒だって止まることなく心の臓は動き続けます。不安でも不幸でも悲しくても、喜びに溢れていて幸せでも、終わりまでノンストップ。私たちみんなが、そんな大海原をこの身ひとつで渡っているのです。ああ、えらいこっちゃ。ほな、生きましょ。今も呼吸、姿勢、歯や舌や唇と対峙する日々です。肚ヨガ道に、終わりなし。                    二〇二二年 六月 記 増田さやか